浪速風

「2人の強者」が気になる

英国の作家で詩人キプリング(1865〜1936年)が19世紀末に発表した「東と西のバラード」は「おお、東は東、西は西、両者はとわに出会うことなし」と始まる。植民地支配で西欧文明が優位とされた時代だった。しかし、続けて「東もなければ西もない。国境も、種族も、素性もない」と説く。

▶トランプ米大統領が就任する。過激な発言で物議を醸し、支持率より不支持が多い船出になる。どんな就任演説で、亀裂が入った米国社会を修復するのか。なにしろ世界は、共産主義国家の中国が自由主義貿易を求め、資本主義のチャンピオンである米国が保護主義に走る。奇妙な時代である。

▶キプリングの詩には、東西が理解しあう前提として、「二人の強者、地の果てから来りて並び立つ」とある。日本としては、中国や北朝鮮など東アジアの緊張が喫緊の課題だが、トランプ大統領と習近平国家主席の「二人の強者」で世界を分け合おうなんて考えられては困る。