浪速風

〝投了〟はいさぎよく

日本将棋連盟の谷川浩司会長 
日本将棋連盟の谷川浩司会長 

谷川浩司さんの著書にあった。「若い棋士を見て思うことがある。(略)彼らの多くは投げっぷり、つまり負けっぷりがよくないのである。もはや反則でもしなければ勝てないような状況になっても、だらだらと指していることがある」。投了は範を垂れたのか。日本将棋連盟会長を辞任した。

▶将棋ソフト不正使用疑惑をめぐる混乱の責任を取った。阪神大震災で被災して安否が気遣われたが、翌日、「私は生きています」と連盟に電話があり、奥さんが運転する車で神戸から10時間以上かかって対局場所の大阪にたどり着いた。震災から22年の翌日というのは、辞任のタイミングを計ったように思える。

▶会長として、後進の指導、将棋の普及に尽力してきた。汚点は残したが、14歳の最年少プロ棋士誕生など明るいニュースもあった。現役棋士が組織のトップを兼ねるのは、多忙、激務であったろう。肩の荷を下ろして、かねて目標の最年長名人を目指してほしい。