話の肖像画

駐日サンマリノ大使・マンリオ・カデロ(4)日本人少年「外交官」を意識

 大使の仕事も忙しいですが、締め切りはありませんから、ジャーナリスト時代より、ほんの少し余裕ができました。サンマリノはご存じのように免税の国で、一番人気は日本製品です。だから、サンマリノにとってアジアの中で日本は経済的にも一番重要な国です。だから日本から、アジアの国々の動きをカバーしています。中国はそんなに自由がないから、情報が入らない。日本は自由な国だから、韓国、北朝鮮、米国、中国といろんな国の情報が入ってくるので仕事がしやすいですね。

 〈駐日全権大使に任命された際、意識した日本人「外交官」たちがいた〉

 私は日本の歴史にもとても興味があるんです。今から400年以上前の16世紀後半、キリシタン大名の名代として欧州に派遣された4人の少年がいました。伊東マンショや中浦ジュリアンらです。約2年半かけて船でポルトガルに渡り、その後、イタリアにも行って、ローマ法王に謁見しました。長崎から出航した頃、彼らはまだ13〜15歳の少年でした。あの時代に、こんなに若い子たちが冒険の旅をするのはすごいことです。彼ら4人の少年は、日本のヘリテージ(遺産)、ヒーローですよ。コロンブス、バスコ・ダ・ガマ、マゼランらはみんなプロのナビゲーター(航海者)。でも伊東マンショらは素人ですよ。だから偉い。

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