話の肖像画

駐日サンマリノ大使・マンリオ・カデロ(4)日本人少年「外交官」を意識

昨年10月、来日したベルギーのフィリップ国王夫妻を招き、天皇、皇后両陛下が主催された宮中晩餐会に向かう前の1枚
昨年10月、来日したベルギーのフィリップ国王夫妻を招き、天皇、皇后両陛下が主催された宮中晩餐会に向かう前の1枚

 〈1989(平成元)年にサンマリノ共和国の領事となり、ジャーナリストから外交官に転身した〉

 ジャーナリストの仕事は非常に面白かったけれど、締め切りがあるし、忙しすぎる。だんだん年をとると疲れてきました。私の両親はイタリア人ですけど、ルーツがサンマリノにあったんですよ。父が亡くなったとき、サンマリノに行くと父の友達がたくさんいて、「ああ、あなた、お父さんに似てますね」とすごくかわいがってくれました。日本でジャーナリストをしていると話すと、サンマリノは当時、日本に名誉領事がいないので、名誉領事にならないかと勧められました。父は弁護士でしたけど、イタリアの財務省に勤めていたので、それでサンマリノと結構、深い結びつきがありました。

 私が「やってもいいけど、外交官の仕事はよく分からないので…」と言うと、サンマリノは私に勉強させた。ジャーナリストの仕事をしながら、少しずつ勉強して、しばらくは名誉領事、次に名誉総領事になりました。そのうち、外交官の仕事が忙しくなって、新聞とか雑誌の仕事をあまりしなくなりました。2002年に大使になって、完全にジャーナリストは引退しました。

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