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2016年8月に開催されたリオデジャネイロ五輪で、112年ぶりに復活したゴルフ。その競技会場が早くも「持て余しもの」と批判を浴びている。会場見直し論が浮上しつつある日本のゴルフ競技を再考する機会に資するところも大きいのではないか。
1900万ドル(約22億円)をかけて、リオ五輪のメイン会場となるマラカナン競技場から約25キロ離れた大西洋沿いに新設された五輪コース。米国の著名デザイナー、ギル・ハンス氏の設計で、リンクスコース特有の海風の吹き付ける戦略性の高いコースと評された。隣接する自然保護区の環境面にも配慮したことも評価され、五輪開催後10年間、パブリックコースとして運営されることが決まっていた。
ところが、五輪閉幕から約3カ月しか経たない2016年11月、米ヤフースポーツやAP通信などが「リオ五輪コース、十字路」「リオ五輪ゴルフ場、3カ月間空っぽ」などと閑古鳥の鳴く惨状を報じた。東京五輪の問題でもよく聞かれる「レガシー(遺産)」となるのは簡単ではないということだ。
ゴルフよりもサッカーに興味があるお国柄。ゴルフ人口は2万人とも3万人とも言われるが、約2億の人口に対して微々たるものだ。しかもグリーンフィーは、平均月収が1270レアル(約4万5700円)の地元民に対し、1人74ドル(約8500円)~82ドル(約9500円)。ブラジル経済は深刻な不況下にあり、失業率は12%に上るという。とても遊興費として支出できる額ではない。外国人は192ドル(約2万2200円)。日本の名門コース並みの料金だ。