衝撃事件の核心

「極刑回避のための謝罪文だ!」死刑におびえる中年男、法廷に渦巻いた遺族の憤怒…心斎橋通り魔控訴審

最高裁の司法統計によると、21年に1審判決のあった事件に被害者参加したのは560人だったが、27年は2倍以上の1377人に上った。罪名別に見ると、最多は自動車運転処罰法違反の357人で、2位が殺人の157人だった。

一方、被告の弁護側には制度への警戒感が強い。日本弁護士連合会(日弁連)が内部向けに作成した死刑事件弁護のための手引きには「否認事件や正当防衛事件では参加そのものに反対すべき」と記されている。

また、処罰感情が死刑選択に過大な影響を与えないよう、法廷に入れる人数を絞るなどの対応が必要で「遺影の傍聴席正面などへの持ち込みは認めないのが実務だ」としている。

参加人の被告人質問では「情がぶつかり、依頼人(被告人)が極端に萎縮する」「根拠に基づかない質問が行われる」といった可能性に危機感を持ち、「事前に証人や依頼人と打ち合わせておくことが重要で、尋問でも適切な異議を行使できるよう注意を払う必要がある」と指摘している。

実際、礒飛被告の控訴審でも、遺族の質問が上告の是非に及んだ際、弁護側が異議を申し立てて質問を遮る場面があった。

死刑か無期懲役か

厳しい処罰感情が礒飛被告に向けられる中、弁護側はそれでも死刑を回避する事情があると訴えている。

刑事責任能力の程度と量刑が争点となった27年6月の1審大阪地裁の裁判員裁判判決は覚醒剤使用の後遺症で「刺せ」という幻聴があったとしつつ、犯行への影響は限定的として完全責任能力を認定。犯行自体も「際立って残虐」として、死刑を回避する事情はないと判断した。

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