衝撃事件の核心

「極刑回避のための謝罪文だ!」死刑におびえる中年男、法廷に渦巻いた遺族の憤怒…心斎橋通り魔控訴審

浩二さん「もし世の中に息子の魂があって、ここに彼がいるとすれば、あなたになんて言うと思う?」

礒飛被告「なんで殺したんやということだと思う」

浩二さん「『おやじ、生きたかったよ! なんで俺が刺されなあかんねん!』。多分そう言うやろ。何か他に言いたいことあるか」

礒飛被告「ありません」

2審も死刑だったら?…「上告します」

続いて、もう一人の犠牲者、飲食店経営の佐々木トシさん=同(66)=の息子が質問をぶつけた。

息子「正直に答えてください。謝罪文を渡したいと言ってきたよね。なぜ?」

礒飛被告「読んでもらいたかったから…」

息子「死刑を回避するためとしか受け取れない。控訴したときに(謝罪文を渡したいと)そう言ってきた。申し訳ないと思っているなら、控訴するか迷わなかったのか」

礒飛被告「…。もう一回判断してもらいたいってのがありました」

息子「また死刑(控訴棄却)だったら上告するの?」

礒飛被告「それはちょっと…。上告します」

息子「何回も刺したことはどう考えているの?」

礒飛被告「本当に申し訳ないと思っています」

息子「何回聞いても同じだな…」

最後はため息混じりの一言で、質問は終わった。

悲願の制度、弁護側は警戒

刑事裁判に犯罪被害者や遺族が参加する被害者参加制度は20年12月にスタートした。従来は被害感情に関する意見陳述しか認められていなかった被害者サイドが、法廷で被告や証人に直接質問できるようになったほか、求刑に意見を述べることも可能になった。裁判への主体的な参加を求め続けた犯罪被害者の悲願ともいえるこの制度の利用者は、年々増加している。

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