会社にウオーキングシューズを置き、年に一度は帰宅難民になったつもりで、自宅まで15キロほどを歩いて帰った。家具は倒れないように固定し、3日分の飲料水や非常食を備蓄した。預金通帳や印鑑など大事なものをすぐに持ち出せるようにまとめ、懐中電灯、ラジオ、救急の医薬品も用意した。
▶いつごろからか、阪神大震災で身についたはずの緊張が緩んでしまった。徒歩帰宅もやめた。非常袋はどこにしまったのかわからない。水や食料は近くにコンビニができたので、まあ不便はなかろう。家族が離ればなれになった時の安否確認や集合場所も、スマホや携帯電話で連絡が取れるからいいさ…。
▶東日本大震災が起きて、油断を叱られたような気がした。昨年は熊本や鳥取で地震があった。相次いだ台風被害や糸魚川の大火も記憶に新しい。あれから22年。「1・17」を知らない世代も増えている。忘れるな! 忘れてはいけない。天災は忘れたころにやってくる。