「忘れられた地雷原」があちこちに…韓国で相次ぐ被害 治水行政の失敗、ずさんな記録…

第二次大戦時に使われた代表的な地雷。形や構造は現在もほぼ変わらない(ドイツ・コブレンツ、2002年10月、岡田敏彦撮影)
第二次大戦時に使われた代表的な地雷。形や構造は現在もほぼ変わらない(ドイツ・コブレンツ、2002年10月、岡田敏彦撮影)

 韓国で地雷の爆発事故が相次ぎ、その危険性が改めてクローズアップされている。昨年、工事現場でダンプトラックが対戦車地雷を踏んで大破、運転手が死亡した事故に関しては、現場で地雷が多数見つかっていたにもかかわらず、軍の地雷処理が不十分なうえ、工事を中止していなかったことがこのほど判明し、大問題となっている。都市部から踏み出せば「忘れられた地雷原」が散在、国民の怒りは当局のずさんさに向けられている。

対戦車地雷

 韓国YTNテレビによると、ダンプトラックが対戦車地雷を踏む事件が起こったのは昨年11月30日。韓国北東部の江原道鉄原郡の工事現場で、土砂を運んでいたダンプトラックが地中に埋まっていた対戦車地雷を踏んで爆発。前タイヤと車体前部の運転席部分が吹き飛び、運転していた40歳の男性が死亡した。当初は不幸な事故とみられていたが、その後の調査で関係者の現場管理のずさんさが明らかになった。

 YTNやJTBCテレビによると、この爆発の前日にも工事現場で地雷が発見されていたが、十分な調査をおこなわず、工事を続行していたというのだ。

 事件後、YTNでは「韓国地雷研究所の助けを借りて一帯を再調査」した。その結果、わずか2時間で「ピザの大きさ」(YTN)の対戦車地雷2発と対人地雷2発を見つけたとしている。現地調査した同研究所の所長は「地雷探知機が50センチ(地雷に)近づいただけでも大きな探知音が鳴った。これを見逃すことなどありえない」と指摘し、事故前に地雷を多数みつけていたにもかかわらず工事作業を強行した企業と、ずさんな地雷探知作業を行った軍を批判している。ただ、こうした地雷による不幸な事故は、韓国では珍しいことではない。