銀幕裏の声

「海賊とよばれた男」のもう一つの顔-出光佐三、荒れ果てた故郷の神社を私財投じて復興、有力世界遺産候補に

【銀幕裏の声】「海賊とよばれた男」のもう一つの顔-出光佐三、荒れ果てた故郷の神社を私財投じて復興、有力世界遺産候補に
【銀幕裏の声】「海賊とよばれた男」のもう一つの顔-出光佐三、荒れ果てた故郷の神社を私財投じて復興、有力世界遺産候補に
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 戦後、石油事業で日本の復興に尽力した実業家、国岡鐵造の半生を描いた映画「海賊とよばれた男」が公開中だ。鐵造のモデルは出光興産創業者、出光佐三(1885~1981年)。昭和28年、日本の石油危機を救った日章丸事件などが有名だが、彼が地元・福岡県宗像市の宗像大社の再建に果たした功績を知る人はどれほどいるだろうか。日本神話に起源を持つ「宗像・沖ノ島と関連遺産群」は今年の世界遺産候補の一つとして選ばれたが、その陰の功労者が佐三だ。「荒れ果てた神社を私財を投じて復興し、宗像神社史の編纂もした。彼の支えがなければ世界遺産の候補には選ばれていなかった」と同神社や地元住民は彼の功労を偲ぶ。17年の再建着手から今年75年。佐三の悲願が実を結ぼうとしている。(戸津井康之)

映画では描ききれなかった郷土愛

 映画の原作は作家、百田尚樹さんの同名小説で平成25年の本屋大賞を受賞。累計400万部を超えるベストセラーだが、人気俳優、岡田准一さん主演、ヒットメーカーの山崎貴監督による映画化で、佐三の功績が改めて注目を集めている。

 映画では、佐三をモデルにした鐵造が明治44年、福岡県門司市(現北九州市門司区)に国岡商店(出光興産の前身・出光商会)を創設。単身、満州に渡り、大正3年に南満州鉄道に車軸油を納入するなど海外に事業を拡大、昭和20年の戦後の混乱期に多くの企業が人員整理を進める中、「従業員は家族だ」と主張し、一人も解雇しなかった姿などを忠実に描く。

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