【産経抄】寒さあればこそ花も咲く…寒波の入試センター試験 1月15日(1/2ページ) - 産経ニュース

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寒さあればこそ花も咲く…寒波の入試センター試験 1月15日

 アサガオの鉢植えが2つある。1つには絶え間なく光を当てる。もう1つには長い時間、箱で覆って闇を与える。箱を取り去った後に等しく光を当て続けると、つぼみをつけて花開くのは、闇を与えた方だという。

 ▼チューリップの球根は夏のうちにつぼみを宿す。そのまま暖かい中で育てても開花はしない。10度以下の低温に3、4カ月さらして初めて、つぼみがうずき始める(田中修著、『植物のあっぱれな生き方』)。長い夜を経て、風雪の試練を越えてようやく花は咲く。

 ▼生き物には体内で時を刻み、生活のリズムを整える仕組みがある。「生物時計」という。苦難や挫折により人が磨かれていくのは、植物と同じく針が冬を感知している証しだろう。若者にも、可能性の芽吹く「春」に備えて耐えなければならない厳寒の季節がある。

 ▼大学入試センター試験がきのう始まった。折しも日本列島を覆ったのは「数年に1度」の強い寒波である。各地に大雪を降らせ、試験時間の繰り下げなどに慌てた会場もあった。「雪は天から送られた手紙である」の詩情には遠い、受験生泣かせの試練だったろう。