後押ししたのは、動物愛護を所管する衛生薬務課の「春の発情期を迎えれば急激に繁殖してしまう」という指摘だった。
「野良猫の寿命は2〜3年」(愛護団体メンバー)とされる。捕獲され、去勢手術を受ける県庁の「さくら猫」(去勢後とわかるよう耳をカットした猫)がどんな形で生涯を終えるかが、今後の焦点だ。
衛生薬務課によると、県内では平成27年度に、犬79匹と猫945匹が殺処分されている。猫は飼い主が飼いきれなくなって持ち込まれたもので、このうち約8割が生後90日以下の子猫だった。
県庁猫の捕獲作戦を主導した愛護団体「ノーモアアーリーキャッツ」の塩島亜貴さん(41)は、「県内で動物愛護は進んでいない。県庁の野良猫問題という象徴的な出来事をきっかけに、県民の愛護精神が高まればうれしい」と話している。(外崎晃彦)