主張

天皇陛下の譲位 実現の方向性示す時期だ

 天皇陛下の譲位をいかに実現していくかは、日本の国のありようにかかわる極めて重要な事柄である。

 有識者会議での議論も、円滑な実現へ方向性を示す時期を迎えた。

 産経新聞は、政府が有識者会議の報告などを踏まえ、譲位に道を開く特例法案を5月上旬にも提出すると報じた。

 これをきっかけに新聞・民放各社が報じ、政府の検討内容の輪郭が明らかになった。

 譲位は「一代限り」とし、陛下は平成31(2019)年の元日に、皇太子殿下へ皇位を譲られるとの内容だ。

 有識者会議は今月下旬に論点整理を示し、国会でも近く衆参の正副議長が譲位につき協議する。

 昨年8月に陛下が示されたお気持ちと、高齢でいらっしゃることを踏まえれば、譲位の実現にいたずらに時間はかけられまい。大きな対立を避けつつ、国論をまとめる努力が必要なときである。

 31年元日には「剣璽(けんじ)等承継の儀」(三種の神器などの引き継ぎ)と「即位後朝見の儀」(三権の長らの初拝謁(はいえつ)が宮中で行われ、政府は即日改元する。今の陛下は「上皇」になられる。

 皇位継承に伴う重要な祭儀である大嘗祭(だいじょうさい)と即位の礼は、同年11月が想定されている。

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