ゆうゆうLife

暮らしの中で逝く ホームホスピスの場から(中)

 島田さんの夫、隆憲さん(59)はかあさんの家で暮らしはじめて2カ月。7年前に脳出血で倒れて寝たきりになった。病院を転々とした後、島田さんが仕事を辞めて3年間の在宅介護をした。夜中に頻繁にたんの吸引が必要だったり、誤嚥(ごえん)性肺炎や結石で入院したり、気の休まるときがなかった。入院すると、もう少しまめにケアしたいと思っても、見舞いの時間が限られており、たんの吸引もできない。「すべて自分で引き受けて家で介護するか、入院して任せっきりにするか、どちらかしかないのか」と悩んだ。

 だが、かあさんの家では、通ってきて自分で介護もできるし、夫に「また明日ね」と声をかけて帰ることもできる。「よく見てくれるので熱も出さなくなって安定した。驚いています」という。

 「家族のケアする力を奪わない」ことは、かあさんの家が大切にしていることの一つ。家族は見舞いに来てリビングで雑談していく。そんな雰囲気につられてか、足しげく通う家族も多い。スタッフとの関係も密だ。あるスタッフ(66)は「亡くなられた方のご家族がその後も電話をくれるなど関係が濃い。疑似家族のような雰囲気になる」と話す。