【ソウル=名村隆寛】韓国最大野党「共に民主党」の禹相虎(ウ・サンホ)院内代表は9日、党の幹部会議で、慰安婦問題での日韓合意に従い日本政府が韓国の財団に拠出した10億円について、「予備費でも編成するので10億円を返そう」と主張した。
安倍晋三首相が8日、拠出金に言及した上で釜山の日本総領事館前とソウルの日本大使館前の慰安婦像について、「韓国側にしっかりと誠意を示してもらわないといけない」と撤去を求める意向を示したことへの反論だ。
禹氏は日本政府拠出の10億円について「韓国民が屈辱的と感じる金だ」とも断言。安倍首相の側近議員が「振り込め詐欺のようだ」と不満を示したとの報道にも触れ「韓国外相は抗議さえ一つもできない。こんな外交がどこにあるのか」と批判した。
「共に民主党」は日韓合意の無効を主張。次期大統領選に出馬の意思を示している文在寅(ムン・ジェイン)前党代表は、合意見直しと新たな交渉を求めている。韓国調査会社リアルメーターの1月第1週の世論調査では、文氏の大統領選支持率は26・8%で1位。2位の潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長(支持率21・5%)を引き離している。