ソウルからヨボセヨ

「少女像」はおかしい あれは政治的な「慰安婦像」だから問題

韓国・釜山の日本総領事館前に設置された慰安婦像(名村隆寛撮影)
韓国・釜山の日本総領事館前に設置された慰安婦像(名村隆寛撮影)

 韓国の第2の都市・釜山の日本総領事館前に設置された慰安婦像はひどい。場所が総領事館に接している至近距離の歩道だからだ。2車線ほどの道路をはさんだ筋向かいの歩道というソウルの日本大使館前の慰安婦像に比べても、これは許し難い。外国公館に対する国際法違反のこんな侮辱・嫌悪施設は世界的にも前代未聞だろう。

 釜山でこの慰安婦像の除幕式(?)が強行された大みそかの夜、ソウルでは都心の「鍾閣」でソウル市主催の恒例の打鐘式があった。毎年、市民代表が選ばれ一緒に鐘をつく。その市民代表にまた元慰安婦の老女がなっていた。過去にも選ばれているが、韓国を代表する大々的な大みそかイベントだから元慰安婦は今や韓国国民を代表する韓国の象徴なのだ。

 国内はもちろん海外にまであちこち慰安婦像を設置したがるのもむべなるかなだ。これは外から見れば、いわば韓国が世界に誇るKポップなど韓流文化の一環みたいなイメージになる。それでも韓国人は平気なのが興味深い。

 ところで日本政府(菅義偉官房長官)や多くの日本メディアが慰安婦像のことを韓国風に「少女像」と言っているのはおかしい。あれは政治的な慰安婦像だから問題なのであって、単に少女像ならどこへでも勝手にどうぞ、である。(黒田勝弘)

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