社会保障制度維持のための新組織、消費税引き上げ幅に応じた要介護者の許容数など試算 政府、来年度

 政府は3日、現在の社会保障制度を維持するための対策を検討する新組織を今年度内に立ち上げる方針を明らかにした。国の財政状況や消費税の引き上げ程度に応じた認知症患者や要介護者の許容数、それに応じた医師や介護士の必要数を試算。これらの指標に基づき、高齢者の社会参加や予防医療の促進など具体策を示す。患者数減少で社会保障費を抑制し、財政健全化を図る考えだ。

 新組織は経済産業省が主導し、厚生労働省や財務省、内閣府や関連団体の有識者でつくる。まず、国民皆保険制度や介護保険制度など現在の社会保障制度を維持するため、財政状況に応じて認知症患者や要介護者の増加をどの程度許容できるか、それに伴う介護人材や医療施設などの必要数も試算する。消費税を8%、10%、15%、20%にした場合の財政状況に応じた指標を算出し、対策を検討する。

 対策では「生涯現役社会」を念頭に、65歳以上の経済活動の機会の創出や、認知機能低下予防のシステム開発などを具体的に考える。「過剰な介護が認知症を促す可能性もある」(政府関係者)との指摘もあり、予防を促すことで介護士不足の問題などにも対応する。

 厚労省などによると、国内の認知症患者数は平成27年現在で約450万人で認知症にかかる医療費は1・9兆円。「37年には患者が750万人に増えると試算され、医療費などのコストが倍増する懸念もある」(同)という。

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