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平成29年日本外交の注目は「台湾」 蔡英文氏来日時に宿舎に乗り込んだ安倍晋三首相の出方がカギ 政治部 峯匡孝

台北の総統府で海外メディアから会見の記念に贈られた料理本を手に笑顔を見せる蔡英文総統(右)=昨年12月(田中靖人撮影)
台北の総統府で海外メディアから会見の記念に贈られた料理本を手に笑顔を見せる蔡英文総統(右)=昨年12月(田中靖人撮影)

 1月20日、米国ではドナルド・トランプ新大統領が誕生する。欧州では英国が欧州連合(EU)から離脱し、移民・難民問題をめぐって揺らいでいる。隣国では韓国の朴槿恵政権がレームダック(死に体)化し、中国は最高指導部のメンバーが入れ替わる党大会を秋に控え、金正恩体制が続く北朝鮮は不確実性がさらに増している。激動の中、幕を開けた平成29年は、日本の外交力が改めて試される年となった。

 こうした中で注目されるのは、「日台関係」になるだろう。台湾では昨年5月、民進党の蔡英文氏が総統に就任。前任の馬英九前政権は「一つの中国」を前提とする「1992年コンセンサス(合意)」に基づき中台関係を改善し、経済関係の強化を軸に中国への傾斜を急速に強めてきた。だが、蔡総統は中台関係の「現状維持」を訴えている。そこには台湾はすでに独立国であり、中国の一部ではないとの考えがある。

 昨年11月、トランプ氏が台湾の蔡総統と電話協議したことが衝撃的なニュースとして伝えられた。1979(昭和54)年に当時のカーター大統領が米中の国交を正常化させて以来、歴代の米大統領が「一つの中国」原則を認識し、異論を唱えないとする立場から台湾総統との接触を控えてきたからだ。破天荒な外交方針を打ち出すトランプ氏らしい前例にとらわれない外交手法といえるが、歴代米政権がいかに「北京」の顔色をうかがってきたかを示す証左でもある。