月刊正論1月号

中国は、沖縄を「特別自治区」と思っている!? 沖縄対策本部代表 仲村覚

※この記事は月刊「正論1月号」から転載しました。ご購入はこちらへ。

 「土人発言」で火のない所に火をつける高江の活動家 《沖縄県議会は十月二十八日、米軍ヘリパッド建設現場付近で、大阪府警機動隊員の「土人」「シナ人」との発言に対し、臨時議会を開催し、「沖縄県民の誇りと尊厳を踏みにじる」ものとして、抗議決議と意見書を共産、社民両党を中心とする県政与党会派などの賛成多数で可決した》 

 これが、全国に発信されたニュース報道の概要である。一見、機動隊員の不適切な発言が沖縄県民の被差別感情に油を注いで火をつけてしまったようにみえる。しかし、この事件の裏の仕掛けがよく分かる記事が十月二日の琉球新報に掲載されていた。【機動隊差別発言を問う】という新しいキャンペーン記事に掲載された東大東洋文化研究所教授の安富渉氏の主張である。その要旨を列挙する。

 《◎「非暴力の闘争で最も大事なのは、どうすればこちらが暴力を使わずに、相手を挑発して暴力を使わせるかということ」◎「今回の暴言はその差別構造ばかりか、大阪府知事の差別意識まで露呈させたのだから大成功だ」◎「それが一般化し『沖縄人は土人だ』という空気が広がる可能性もある。その場合、沖縄は独立せざるを得ない」◎「そのときは世界中がそれを容認し、日本は威信を喪失するだろう。だからこそ、ここが戦いどころだ」》 

 ニュース報道では被害者として報道されていた活動家が実は、沖縄を独立に扇動するために火のない所に火をつける仕掛け人であったことを自ら暴露したのである。冒頭で紹介した県政与党の共産党、社民党が中心になって沖縄県議会に提出した抗議の意見書は、この火種を更に大炎上させるための仕掛けだったのである。 

沖縄分断工作に危機意識を持って対応した沖縄自民党

 この抗議決議書への質問に立った自民党会派の照屋守之県議は、《「県民侮辱発言への抗議の意見書を採決する本当の目的は何か教えてください。何ゆえに県議会でこの一つの発言をとらえて抗議し要請するのか。表面的ではなく本当の提案者の目的を教えてください」「抗議の意見素案には、『沖縄県民の苦難の歴史を否定し平和な沖縄を願って歩んできた県民の思いを一瞬の内に打ち砕いたものと言わざるをえない』と書いている。これは、「沖縄県民と日本国民を分断する意図があるのではないか?この表現の意図するところを教えてください」と質問した。 沖縄県議会自民党会派はこの抗議意見書採択の真の目的は、日本国民と沖縄県民への分断である事を把握していた。そのため、共産・社民の全会一致の採択を狙った文案調整への試みを蹴って現場警察官の負担軽減と十分な休養と心のケアを求める独自の意見書を提出したのだ。これにより、土人発言を利用した彼らの沖縄の分断工作に対して一定のブレーキをかける事に成功したのだ。

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