年の瀬記者ノート

大口病院連続殺人 「病院を選んだ判断が悪かったのか…」 事件に潜む本質見極めを

 病院側はいずれも職員間の嫌がらせと判断。犯人を特定することはせず、警察にも相談しなかった。

 ◆トラブル「珍しくない」

 こうしたトラブルについて、専門家の見方は少し意外だった。

 医療現場の実情に詳しいある弁護士は、大口病院程度の規模の病院を「中小企業のようなもの」とし、「上層部の意向が絶対的な影響力を持つ場合が多く、風通しのいい職場環境は作りにくい」と指摘。「職員が待遇や人間関係に不満を持ち、トラブルを起こすことは珍しいことではない」と言い切った。

 県内の別の病院に勤める看護師(33)は、さらに別の知見を与えてくれた。終末期医療の患者を担当する難しさだ。

 大口病院では、2〜4階の入院棟(年内をめどに閉鎖予定)のうち、4階で症状が重い終末期医療の患者を受け入れていた。殺害された2人はいずれも4階の同じ病室に入院していた。

 看護師は「終末期医療では、命を救うのではなく、維持や、苦しまないように亡くなっていただくためにできることを考えるのが仕事」と説明。一般的に、他院などでキャリアを積んだベテランのスタッフが担うことが多いが、「心を病む人も少なくない」という。

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