主張

真珠湾での慰霊 平和保つ同盟を確認した

 ■靖国を参拝し「訪問」報告せよ

 「和解の力」に基づく日米同盟の絆の強さを発信した意義は大きい。緊密な同盟こそ地域安定の礎となるものだ。その抑止力を一層高めていくことが重要である。

 日米戦争発端の地となったハワイ・真珠湾で、安倍晋三首相と米国のオバマ大統領が肩を並べ、戦争で亡くなった人々を慰めたことを素直に喜びたい。

 日米それぞれの国の戦没者、および戦災で亡くなった人々に対し、敬意と哀悼の誠をささげたのである。

 《対中国の抑止力を築け

 75年前の真珠湾攻撃以来、両国の首脳がそろってこの地を訪れたのは初めてのことだ。

 安倍、オバマ両氏は不戦の誓いと日米和解の意義を強調し、アジア太平洋地域と世界の平和と発展のためという同盟の役割を再確認した。

 この地域における最大の不安要因は、軍事的に台頭した中国の脅威である。慰霊に先立つ首脳会談で、中国の空母が西太平洋へ初めて進出したことが話題となり、その動向を注視すべきだとの認識で一致した点にも象徴される。

 会談では、南シナ海や東シナ海における中国の行動を念頭に、太平洋とインド洋を「自由で開かれた海域」として維持するためのインド、オーストラリアとの協力を申し合わせた。北朝鮮の核・弾道ミサイル開発問題で連携していくことも確認した。

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