デスクの横に、中国を中心にして東アジアの地図を反転させた「逆さ地図」を貼っている。保守系シンクタンク「日本戦略研究フォーラム」が作成したものだ。この地図によれば、北海道から本州、南西諸島まで横に長く延びた日本列島が、中国大陸に覆いかぶさっている。
▼「海洋強国」をめざす中国にとって、日本がいかに邪魔な存在かよくわかる。西太平洋に出るには、南西諸島の間をすり抜けるしかない。中国初の空母「遼寧」は、そのルートの一つ、宮古島沖を通過して太平洋に出た。その後、台湾沖のバシー海峡から南シナ海に入った。目的は米国のトランプ新政権への牽制(けんせい)、との見方がもっぱらである。
▼もともとウクライナからスクラップ船として格安で購入したものを、遼寧省大連で改修した。動力システムからパイロットの養成まで、空母運用にはさまざまな問題が指摘されてきた。
▼とはいえ、中国はすでに第2、第3の空母を建造中である。今年8月、尖閣諸島周辺の接続水域に、約230隻の漁船とともに中国公船が侵入したのは、記憶に新しい。上空での中国軍機の挑発行動も、エスカレートするばかりである。