防衛最前線(102)

不時着では大騒ぎしたのに予算案では「沈黙」…オスプレイをめぐる不思議な話

【防衛最前線(102)】不時着では大騒ぎしたのに予算案では「沈黙」…オスプレイをめぐる不思議な話
【防衛最前線(102)】不時着では大騒ぎしたのに予算案では「沈黙」…オスプレイをめぐる不思議な話
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 12月22日に閣議決定された平成29年度予算案をめぐり、不思議と言えば不思議な現象が起きた。

 防衛省は予算案で垂直離着陸輸送機V22オスプレイ4機分の取得費計391億円を計上したが、翌日の主要メディアで批判的な記事はほとんど見当たらなかったのだ。米海兵隊の同型機MV22が沖縄県名護市沖に不時着水したのは、予算案決定のわずか9日前のことだ。この間、大々的に事故の状況や米軍などの対応が報道されていただけに、予算案をめぐる「沈黙」が際だった。

 それもそのはず、データを見れば、オスプレイが危険な欠陥機とは言い難い。防衛省によると、オスプレイの10万時間当たりの事故率は昨年9月時点で2・64だった。米海兵隊が保有する航空機の平均値に相当する。防衛省が淡々とオスプレイ取得を進めることに安全面での問題はない。

 不思議な話と言えば、もう1つある。

 米軍基地を抱える全国の知事で作る「渉外知事会」は12月26日、防衛省の若宮健嗣副大臣に対し、海兵隊機の事故原因の究明や再発防止策を講じることなどを求める緊急要請書を手渡した。要請書は海兵隊機の事故を「不時着水」と表記した。

 沖縄県の翁長雄志知事らは事故を「墜落」と断じ、オスプレイの危険性を強調してきた。しかし、翁長知事も渉外知事会の一員であり、神奈川県の黒岩祐治知事が要請書を手渡した際は沖縄県の安慶田(あげだ)光男副知事も同席していた。関係者は「文面に関して沖縄側から特に反対はなかった」と明かす。

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