2016回顧・演劇編

蜷川幸雄さん、平幹二朗さん逝く…宝塚はトップ節目の年

 劇団四季は、大阪四季劇場で3年7カ月の関西地区最長記録を残した「ライオンキング」が5月に千秋楽。7月、13年ぶり4度目の「キャッツ」大阪公演が開幕した。初回チケット発売初日には4カ月分の公演の75%が売れ、ファンの熱い期待を物語った。来年8月31日までの上演が決まっている。

 OSK日本歌劇団は、トップ3年目の高世麻央(たかせ・まお)さんを中心に、メンバーの個性が光り、充実した公演が続いた。また、兵庫県出身の堂本光一さん主演の「Endless SHOCK」の上演回数が3月、通算1400回に。ミュージカルの同一演目の単独主演公演数1位を独走中。演劇でも故・森光子さんの「放浪記」に次ぐ数字となった。

 訃報も相次いだ。5月12日、「世界のNINAGAWA」と呼ばれた日本を代表する演出家の蜷川幸雄さんが80歳で死去した。「灰皿投げ」など熱血指導で知られたが、多くの俳優を輩出し慕われた。世界に誇る演劇界の巨星だった。

 その蜷川幸雄さん演出「王女メディア」などに主演した俳優の平幹二朗さんも10月22日、82歳で急逝した。朗々とした声と、格調高く重厚な演技が持ち味で、圧倒的な存在感を放つ名優の死に演劇界は悲しみに包まれた。

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