東京都の予算編成で慣例化していた200億円規模の「政党復活枠」を小池百合子知事が廃止し、波紋を呼んだ。
復活枠は、議会側の要望を反映するものとして聖域化していた。「お手盛り」予算といわれればそれまでのものが、存続していたことに驚く。
東京都は、都議会独自の仕組みだと説明しているが、単に他の議会ではやっていないというだけではないか。
東京都は予算規模が他の自治体よりはるかに巨大で懸案も多い。その運営にあたり、強い責任感と公平性が求められることをいまいちど認識してもらいたい。
復活枠は、主に自民党の要望が反映されてきた。通常では得にくい予算を恣意(しい)的に獲得し、政治力の源泉にしてきたとみられても仕方あるまい。
廃止方針が表明された直後、自民党は「議会軽視だ」と強く反発した。ただ、都議会各派からの公開ヒアリングとなると、一転して低姿勢をみせ、2020年東京五輪の成功や豊洲市場への移転推進などを要望した。あまりにも無節操ではないか。
自民党は都議会第一党である。本来なら「お手盛り」を排する姿勢をみせるべきだろう。
また、知事のやることに反対なら、組み替えを求めるなど議決権を行使すれば済む。そうした議会の役割についての認識も希薄になっているのではないか。