丸紅が米国でオーガニック食用油事業に参入 菜種油会社に8割出資へ

 丸紅は26日、米モンタナ州で非遺伝子組換えでオーガニック(有機)栽培の菜種を使った食用油の搾油精製事業に参入すると発表した。米国の穀物集荷子会社を通じて、安心・安全の菜種油の搾油事業を手掛けるモンタナ・スペシャリィティ・ミルズに来年にも最大8割を出資する。まず、来年1月に一部出資し、来年末までに計2400万ドル(約28億円)を出資する計画。

 同社は来年後半にもモンタナ州のグレートフォールズに年産約6万トンの搾油精製工場を新設し、生産能力を拡大する計画。

 米国では遺伝子組換えの農産物生産が主流になる一方で、消費者の安心・安全への意識も高まっている。環境意識の高いスーパーや食品メーカーからは、集荷から流通・搾油メーカーまでの各段階で混入が起こらないよう、分別生産流通管理した非遺伝子組換え農産物を使った食用油は割高でもニーズが高い。

 オーガニック食品市場が過去4年で年率10%増で成長しているため、食用油市場も拡大すると判断した。丸紅子会社が持つモンタナ州の穀物倉庫の稼働率向上にもつなげる。

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