クローズアップ科学

回顧2016年 ノーベル賞、ニホニウム、もんじゅ、ひとみ…快挙と挫折、歴史に刻む

重力波を初検出

宇宙から届く「重力波」を世界で初めて検出したと米国の研究チームが2月に発表。アインシュタインが100年前に存在を予言しながら直接観測されたことがなかった物理現象で、科学史に残る大発見となった。チームは来年にもノーベル賞を受賞するとみられる。

重力波は大きな重力を持つ天体などが激しく動いた際、周囲の空間にゆがみが生じ、それがさざ波のように遠くまで伝わっていく現象。2つのブラックホールが衝突した際に生じた空間のゆがみを、超高感度の観測装置でとらえることに成功した。

日本では岐阜県飛騨市にある東大宇宙線研究所の観測施設「かぐら」が3月、試験観測を開始。2018年にも本格観測を始める。

衛星「ひとみ」運用を断念

宇宙航空研究開発機構(JAXA)が打ち上げたエックス線天文衛星「ひとみ」が軌道投入後に大破する事故が発生。復旧困難となり、4月に運用を断念すると発表した。

姿勢を修正するための信号を誤って送るなどの人的ミスや、不具合に対処するためのシステム全体に問題があったことが判明。JAXAは奥村直樹理事長ら役員3人を処分した。

ひとみは米国などと共同で開発したもので、日本側の開発費は310億円。ブラックホールの謎の解明などに挑む計画だったが、事故で世界や国民の期待を裏切る結果に。2020年度にも打ち上げる後継機で再発を防止できるか問われる。

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