スポーツ岡目八目

ドーピング検査「強化」で今から想像されるプロ野球界の「不協和音」

東京五輪招致委員会が公開した世界初の「移動式ドーピング検査車両」
東京五輪招致委員会が公開した世界初の「移動式ドーピング検査車両」

 プロ野球のドーピング検査が来シーズンから従来の尿だけでなく、血液採取による検査も実施することになった。世界反ドーピング機関(WADA)の規定に準じて実施され、日本プロ野球機構(NPB)としてはより厳密な検査によって違法薬物摂取の排除に努める方針だが、今後混乱も予想される。

これまでユルすぎた

 今回の決定は、野球・ソフトボールが五輪種目として正式決定したことが大きく影響している。ロシアによる国家ぐるみのドーピング問題が発覚以来、国際オリンピック委員会(IOC)のドーピングに対する目はこれまでになく厳しくなっている。五輪でもプロ選手主体でチーム編成を考える以上、日本プロ野球界もドーピング検査に対する認識を改めなければならなくなった。

 これまではとにかくユルかった。NPBは2007年に筋肉増強剤や興奮剤(アンフェタミン系、覚せい剤など)の使用をチェックするドーピング検査を本格導入。チーム年間140試合前後の中から3試合程度を選び、両チーム各2選手の尿を検査した。結局1年で100人強の選手を調べるに過ぎず、しかもアトランダムな指名のため、選手の大半は何年かに1度しか検査に当たらない。

 これではなかなか違反者は引っ掛からない。日本人選手初の違反者が出たのは検査を始めてから5年も経った11年9月。それも禁止薬物を含んでいた目の治療薬の使用許可期限が切れていたという、うっかりミスの摘発に過ぎなかった。

検査は強化されるか

 今年2月、球界大物OBが覚醒剤所持で逮捕された際、NPBのホームページをのぞくとこんな一文にあたった。《違反で試合に出られなくなった場合、選手生活への影響が大きく、積極的にドーピング検査しようという動きはありませんでした》-球界全体がもともと検査には消極的だったことは間違いない。