阿比留瑠比の極言御免

譲位めぐり政府と対立する気満々の民進党 大好きな「立憲主義」に反するのではないか?

 ところが、そんな時期に民進党の皇位検討委員会は、譲位は特措法ではなく皇室典範の改正で恒久制度化することを明記した論点整理を出した。最初から政府側と対立する気満々である。党としていったんこう掲げた以上、「静かな環境の中での議論」(安倍首相)は難しくなろう。

 国会審議における民進党の非生産的なレッテル貼りや揚げ足取り的な議論を振り返っても、国の根幹に関わるこの重大事でも対決路線をとって議論を停滞させることは目に見えている。

 「メディア各社の世論調査で、国民の高い割合で、皇室典範を改正して今後すべての天皇に退位を認めるべきだという声が、圧倒的に高い」

 蓮舫代表は15日の記者会見でこう述べていたが、世論調査はあくまで参考に資するものにすぎない。世論調査通りに物事を決めるのであれば、専門家も政治家も必要がなくなる。

 「(政府の有識者会議ヒアリングで)随分、陛下のお気持ちを忖度(そんたく)するところから離れてバラバラな意見が出ている」

 野田佳彦幹事長は11月28日の記者会見でこう有識者会議のあり方を批判した。野田氏は繰り返し陛下のご意向を持ち出し、「その意に反する」意見を否定するが、陛下のお言葉をそのまま反映させると「天皇は国政に関する権能を有しない」と定める憲法4条と矛盾してしまう。

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