『Proceedings of the Royal Society of London B』に掲載された論文で、研究チームは、陰茎骨をもつ種と、もたない種の交配行為について、睾丸の大きさや、一夫多妻制か一夫一婦制か、季節繁殖、膣への挿入の継続時間などを含めて評価した。
霊長類の進化の過程で陰茎骨が保持されたかどうかは、長時間の挿入と関係があることがわかった。そして、性行為が長いほど陰茎骨も長いことを研究チームは発見した。さらに長い陰茎骨は、メスをめぐる競争の激しさとも相関していた。
研究チームは、陰茎骨が長時間の交尾(少なくとも3分より長く続くもの)を可能にしていると推測する。このシナリオでは、陰茎骨は支え棒として機能し、陰茎を強化して尿道を保護する。
ただし、こうした長時間の交尾は愛を示す行為ではなく、おそらくは、ほかのライヴァルのオスが周りに多数いる状況での戦略だ。ブリンドルの言葉を借りれば、「このような長時間の挿入は、自分の精子が実を結ぶチャンスを得る前にメスがこっそり逃げたり、ほかのオスと交尾したりするのを防ぐためのひとつの手段」なのだ。