中国、ネパールが来年初の合同軍事演習 インド紙報道

 【ニューデリー=岩田智雄】インド紙ヒンズーは22日付で、中国とネパールが来年2月、対テロで初の合同軍事演習を行うことで合意したと報じた。中国には、ネパールへの影響力を強めるとともに、チベット地方の「高度の自治」要求運動がネパールへ拡大することを抑止する狙いがありそうだ。

 ネパール国防省は報道を確認していないが、実現すれば、ネパールと安全保障や経済などで密接な関係を持つインドを刺激することになりそうだ。

 同紙によれば、合同軍事演習は2月10日、国際テロ組織によって人質が捕らわれたとの設定で行われる。今年7月にバングラデシュの首都ダッカで起きた邦人人質テロのような事件への対処を想定しているとみられる。

 ネパールでは昨年9月、新憲法が制定された際、親インドの南部住民「マデシ」が政治的権利の拡大を求めて政府への抗議運動を展開し、インドとの国境を封鎖した。ヒマラヤの内陸国ネパールは、ガソリンや日用品などの輸入の大半をインドからの物流に依存しており、昨年4月の大地震で被災した市民は物資不足に見舞われた。

 新憲法成立直後にネパール首相に就任したオリ統一共産党議長は、「インドによる非公式の国境封鎖だ」と反発し、インドの関与否定をよそにもう1つの隣の大国、中国に接近。中国は大地震後、ネパールのインフラ整備支援を加速させ、カシミール地方などの領土問題で対立し、チベット亡命政府の拠点があるインドに対抗している。

 オリ政権は今年7月、内戦時の戦争犯罪の扱いなどをめぐり、元反政府武装勢力のネパール共産党毛沢東主義派の不満を受けて退陣し、8月、毛派のダハル議長が首相に就任している。

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