大学生の男は容疑を認めたうえで、「客引きだけで月に70万〜100万円を稼いでいた」と供述。昼は授業に出席し、夕方から午後10時ごろまでの時間帯に客引きを行っていた。昨年1月以降、約2年間で計約1500万円を稼いでいたとみられ、外国製の高級車など車2台を所有していた。
子会社を設立
フリー客引きが増加している背景に、雇用主側のメリットが指摘される。
客引きが摘発された際、雇用する店舗側も強引な客引きを指示していた場合は処罰される。そこで2〜3年前から、店舗側が客引き業務を委託する目的で、子会社を設立。フリーの客引きをアルバイトとして雇用し始めたとみられる。店舗側とは直接的な雇用関係がない分、捜査の手が届きにくい。
フリー客引きを雇う会社は県内に複数あるとみられ、フリーを使う店は奥まった路地に店舗を構えていることが多いという。人目につきにくいため、客集めはまさに経営の命綱。「売り上げの4割以上をフリー客引きが呼び込んだ客でまかなっていたケースもある」(同課)という。
捜査関係者によると、今回の一斉摘発で同課が逮捕した11人は、大半が同じ横浜市内の会社に所属し、親会社が経営に関わる13〜15の飲食店を紹介していた。一方、この子会社は一斉摘発後に解散しており、同課は「この会社の摘発は難しい」と打ち明ける。