「夫婦善哉」などで知られる織田作之助は、いつも革のジャンパーを着て、人前でもかまわず当時は合法だった覚醒剤の一種のヒロポンを注射した。講演では、客席を暗くして壇上の自分にスポットライトを当て、長髪を額に垂らした姿を浮かび上がらせて文学論をぶった。
▶ハッタリだが、坂口安吾は「無頼派」の衒気(げんき)(見せびらかし自慢する)として擁護した。では、こちらはどうだろう。今村岳司西宮市長が、中高生対象の市主催のイベントで「面白くない授業を抜け出してたばこを吸っていた」と発言した。女性市議に批判されると、ブログで「『お下品ザマス!』って言っている女教師みたい」と揶揄(やゆ)した。
▶女性市議には陳謝、ブログの一部を削除したが、中高生への発言は撤回しないという。これまでも何かと物議を醸してきた。本音をアピールしたいようだが、「オレも昔は悪(わる)だった」「若い頃はヤンチャしたものさ」なんて、飲み屋でつぶやくレベルだ。