国際学習到達度調査

シンガポール首位独占のワケ 「1ドル硬貨8枚の重さは?」小学校卒業試験の威力絶大 競争の影でいじめや自殺も

 統計によると、シンガポールでは小学生の5人に1人、中学生の4人に1人がいじめを経験している。一人あたりの所得では日本をしのぐ豊かさを実現したシンガポールだが、貧富の格差も日本を大きく上回っている。日本にあるような生活保護や失業保険の制度もない。

 シンガポール政府は、2020年までに大学進学率を40%に引き上げる目標を掲げ、高所得者層の拡大を目指している。また今年度から人材育成支援として、25歳以上の国民を対象にした研修制度も導入した。受験競争に落ちこぼれた国民にも、スキルアップして収入増加を実現できる仕組みをアピールし、不満を緩和する狙いだ。

 ただ、受験による選抜制度に根ざした社会構造を変革するには時間もかかる。また、自国民優遇の雇用政策を進め過ぎれば、成長の原動力となってきた外資や外国人技術者のシンガポール離れを招きかねない。世界で首位となった学力調査結果を手放しで喜んでばかりはいられない危機感が、シンガポールの冷めぬ教育熱の根底にありそうだ。

会員限定記事会員サービス詳細