【日曜に書く】障害は人にあるのではない、環境にあるのだ 論説委員・佐野慎輔 (2/3ページ) - 産経ニュース

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日曜に書く

障害は人にあるのではない、環境にあるのだ 論説委員・佐野慎輔 

ビッグ・アイの挑戦

 ここは大阪・堺の国際障害者交流センター、愛称ビッグ・アイ。2001年、「国連・国際障害者の十年」を記念、厚生労働省によって設置された。障害者を主役とし、芸術・文化活動や国際交流を通して障害者の社会参加の促進を目的とする。

 平たくいえば、障害のある人たちが芸術や文化に触れ、自分自身でも実践、発表していく。その活動から社会との交流を深めていこうという場である。

 「『みる』とか『きく』とかが不自由でも、環境さえ整えば芸術や文化に触れることが可能ですし、サポートがあれば、その人たちも表現者になることができるんです」

 ビッグ・アイの事業プロデューサー、鈴木京子さんは開館当初から事業の企画・運営に携わる。毎年、障害のある人ない人が一緒に楽しむ芸術祭を企画、今年で16年を迎えた。

 事務局では毎年、観客へのアンケートや演者への聞き取りを行うなど常に改善を心がけ、次回以降のサポートに反映させている。例えば、当初ひとつしかなかった入場口を、障害のある人ない人でふたつに分けた。円滑な入場の流れをつくる目的である。これにより、ゆっくり動く障害のある人と良い席を求めて素早く動く障害のない人がぶつかる危険が回避された。

 こうした作業が評価を高めていることはいうまでもない。ただ、施設の充実に加え、スタッフの意識も含め、ビッグ・アイは特別な存在かもしれない。