1審の論告で検察は「この母親の切望に応えることこそ法に課された使命ともいうべきである」と言ってくれました。そして、「被告人らの死刑を望む遺族らの意思は被告人3名の量刑を決めるにあたって最大限に考慮されなければならない」。死刑は絞首刑で、娘と同じ窒息死です。同じことなら、同じやり方で刑を執行していただきたいです。しかし、せめて死刑判決をとの願いもむなしく、1人が死刑、2人が無期懲役で結審し、叶いませんでした。
私の心に残ったのは娘の無念を晴らせなかった悔しさと、司法に対する不信感だけです。
別の強盗殺人事件でも逮捕
彼らは暗証番号をなかなか言わない娘に対し、5分間のカウントダウンをして脅しました。娘は語呂合わせで「憎むわ」と読める「2960」という、嘘の暗証番号を彼らに伝えました。狭い車の中で自分よりもずっと体格の大きい見知らぬ3人の男たちに囲まれ、手錠をかけられ、包丁で脅された状態で嘘の暗証番号を選択した娘の心情を思うと、いたたまれない気持ちでいっぱいになります。神田はこの時の震える娘の状況を、友人に立ち上げてもらったブログで「ガッタガタのマグニチュード10」と表現しました。当然、誰もこんな状況で聞き出した暗証番号が嘘の番号だとは思いません。確認もせずに、すぐに命を奪ったのです。