アメリカを読む

「地下室に子供たちが監禁されている」…偽ニュースがヒラリー氏の敗因? 「4chan」に翻弄される米国政治

 ワシントンの高級住宅街の一角にある「コメット・ピンポン」はどの街でも見かけるような、ちょっとしゃれたピザ・レストランだ。この店が児童買春組織の拠点になっているという噂がネットで広まったのは11月8日の大統領選直前のこと。エドガー・ウェルチ被告(28)は「子供たちを救う」目的のため南部ノースカロライナ州の自宅から自動小銃AR15と拳銃を持ち、軽く5時間半はかかる首都へと車を走らせた。

 ウェルチ被告は12月4日午後3時ごろ、家族連れの客でにぎわっていた店に押し入ると「地下室」の入り口を探し回って、銃を数回発射した。死傷者はなく、45分後に警察官の呼びかけに応じて投降した。

 大統領選の民主党候補だったヒラリー・クリントン前国務長官(69)と選挙対策本部長を務めたジョン・ポデスタ氏(67)がコメットを拠点とする児童買春組織の中心人物である-。ウェルチ被告が信じたのは、ネットで尾ひれが付いた結果としてできあがったこんな虚偽の「物語」だ。

 ピザ・レストランをめぐる疑惑「ピザゲート」の名はツイッターのハッシュタグ(検索ワード)として登場し、日本の掲示板サイト「2ちゃんねる」に相当する「4chan」や保守系サイトを通じて拡散した。

会員限定記事会員サービス詳細