【水中考古学へのいざない(8)】エベレスト登山より危険! 命懸け「タイタニック」探索ツアーで恩師が見た生々しい遺物(2/3ページ) - 産経ニュース

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水中考古学へのいざない(8)

エベレスト登山より危険! 命懸け「タイタニック」探索ツアーで恩師が見た生々しい遺物

 「何より心動かされたのは、スープ皿やワインボトル、片方だけのハイヒール…。乗客たちの生活感が伝わってくる生々しい遺物の数々に言葉を失ったよ」と博士。

 6時間があっという間に過ぎ、潜水艇は再び2時間半をかけて浮上。無事帰還した3人はハグを交わし合い、「ウオツカで乾杯した」という。

 †幽霊船映像に世界が息をのむ

 1912年4月。タイタニック号は英サウサンプトンから米ニューヨークへの処女航海中、ニューファンドランド沖で氷山に衝突。1500人の乗員乗客とともに北大西洋の凍りつく海に沈んでいった。

 この悲劇の豪華客船の捜索に敢然と挑んだ人たちがいた。85年、米ウッズホール海洋研究所のロバート・バラード博士らはフランスチームと共同で調査団を組織。海底でタイタニック号を発見した。巨大な船体は真っ二つに折れ、船首は泥の中に18メートルほど埋まった状態だった。

 翌年、再び現場を訪れた博士らはソナーや船外ビデオカメラなどハイテク機器を搭載した潜水艇でタイタニック号に接近。艇をブリッジに着け、そこから遠隔操作の小型ロボットを船内に潜入させた。カメラは船内に残る品々を鮮明に映し出した。

 船体鋼板には鉄を食べるバクテリアの浸食で「赤さび」がつららのように付着し、木部はキクイムシに食いつくされている。「幽霊船」のような映像に世界が息をのんだ。