プーチン大統領来日

なぜ安倍晋三首相は日露防衛協力を急ぐのか 膨張する中国脅威、露との間にくさび

 また、陸上自衛隊は旧ソ連時代から北海道侵攻に備え、その最前線に立つ北部方面隊に重層な戦車、火砲の部隊を配備してきた。だが、ロシアの脅威が低くなれば、その人員や予算を南西諸島防衛に振り向けることができる。

 ただ、日露防衛協力には乗り越えるべき壁もある。ロシアの脅威に直面する北大西洋条約機構(NATO)との関係だ。中国の軍事的脅威に対峙(たいじ)する日露防衛協力に対するNATO加盟国の理解が必要になってくるが、欧米は中国との経済的な結びつきを強めており、その作業は難航が予想される。(峯匡孝)

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