台湾が日本食品の輸入規制緩和先送り

 【台北=田中靖人】台湾の行政院(内閣に相当)は16日、東日本大震災後に始めた日本食品の禁輸措置の緩和を当面、先送りすると発表した。11月に緩和策を発表していたが、反対論に押され棚上げを迫られた。

 行政院は11月、禁輸対象となっている福島県など5県産食品のうち、茨城や栃木など4県産について解禁する計画を発表し、実施時期を探っていた。だが、野党、中国国民党は解禁の是非を住民投票にかけるよう要求。今月には茨城産のしょうゆの小袋が、他県産の納豆パックに入っていたことが判明し、商品を回収する小売店が出るなど、管理体制への疑念が高まっていた。5県産品を「核被災食品」と扇情的に報じ、不安をあおるメディアも多い。

 林全行政院長(首相)は「解禁は、安全管理への信頼を回復してから」と述べ、先送りの期間は示していない。

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