平成27年度は過去最高の1390万人を記録。通年ベースで東京ディズニーシーを抜き、世界のテーマパーク4位に躍り出た。28年度は「1450万人を見込めるところまできた」(森岡氏)という。
一方、やり残したことを問われると「沖縄県の新テーマパーク構想」を挙げた。ただ「コムキャストの判断としては、ああなるだろうと理解できるので、納得はしている。今回の辞任と沖縄の新パーク断念は関係ない」と強調した。
森岡氏が最近、力を入れたのが任天堂のゲームをテーマにした新エリアだ。ハリー・ポッターを上回る500億円超の投資で32年夏までの開業を目指している。しかし、森岡氏は任天堂エリアの完成を見ることなくUSJを去る。「夢だった任天堂のゲームをテーマにしたエリアを仕込むところまでが自分の仕事」と語った。
USJにとってあまりに大きい森岡氏の存在。カリスマ抜きで作り上げることになる任天堂エリアの成否が、USJ浮沈の鍵を握る。(藤原直樹)
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6年半のキャリア「99点」
「世界最高をお届けできるパークになった」。会見で森岡氏は時折笑顔を浮かべながら語り、映画テーマパークという従来の枠組みを刷新した約6年半のキャリアを「99点」と評し、胸を張った。
さまざまな仕掛けのほかにも、需要の予測や人員配置、コスト削減などパーク運営の細部に精通し、「集客に関する総責任者」(関係者)として信頼された。後任は置かず、意思決定の権限は社長が引き継ぐという。