USJ立役者退社へ

運営方針で衝突? カリスマ去り、成長に不透明感も

 大阪市のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」運営会社の森岡毅執行役員(44)が来年1月末で退社することになり、16日、大阪市内で記者会見した。「全力を尽くしたので後悔は1ミリもない」。森岡氏は円満退社を強調したが、関係者からは、昨年11月に運営会社を買収した米メディア大手コムキャストと「運営方針をめぐって衝突を繰り返していた」(関係者)との声も聞かれる。

 「もちろん意見の相違はあったが、その都度しっかりと話し合ったり議論したりして、お互いが納得することができた」「(コムキャスト出身のボニエ社長は)強く引き留めようとしてくれた」

 会見で森岡氏はこう語り「システムやノウハウは残していく」とした。だが、映画「ハリー・ポッター」エリアの開業、日本のアニメを活用したイベントやアトラクションの導入など新機軸を次々に打ち出し、一時は低迷していたUSJを復活させた「カリスマ」が退社することで、USJの今後に不透明感も出てきた。

 森岡氏が入社した平成22年は、年間入場者が800万人を割り込むどん底の時期だった。しかし、森岡氏はハリー・ポッターエリアのほか、後ろ向きに乗るジェットコースターなど、新しい企画を相次いで成功させ、入場者数をV字回復させた。

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