自民党の二階俊博幹事長は16日、安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領との首脳会談について「国民の大半がガッカリしているということを、われわれは心に刻む必要がある」と述べ、成果が不十分との認識を示した。党本部で記者団に語った。
与野党内には安倍首相が今回の会談結果を受けて衆院解散に踏み切るとの憶測もあったが、二階氏は「首相からその解説を聞いていない。この程度のことは解散のテーマにはならないと思っていたから、なんでもない」と述べた。
北方領土問題を含む平和条約交渉については「解決の見通しがつくかのような報道が続いた。日本国民は『これで解決するんだ』と思った。なんの進歩もなくこのまま終わるなら、一体あの前触れはなんだったのかということを、日本の外交当局は主張しなければならない」と述べ、不満をあらわにした。
そのうえで、「時間を区切った交渉のはずだ。経済問題も大事だが、人間は経済だけで生きているわけではない。もう少し、真摯(しんし)に向き合ってもらいたい」と述べ、早期の平和条約締結の必要性を訴えた。
日露首脳は元島民らの北方領土への自由訪問拡充で合意したが、二階氏は「この程度のことで喜んでいるのではなくて、真の平和、真の友好のために一層の努力をするきっかけというか、バネにする方向に進んでほしい」と注文を付けた。
一方で、二階氏は「日露首脳が胸襟を開いて会談がなされたということは、成功だった」と述べ、一定の評価も与えた。