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「階段の上り下りがつらくなった」「寒い時期に痛む」など膝に悩みを抱える中高年は少なくない。膝の痛みを引き起こす「変形性膝関節症」は女性に多く、放置すると重症化して手術が必要になることもある。専門家は「日頃の運動で膝の痛みは予防できる。早くからのケアを心がけて」と呼びかけている。(中井なつみ)
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◆突然の激痛
「目が覚めると、膝に激痛が走った。なかなか立ち上がることができませんでした」
突然の膝の痛みに襲われた東京都稲城市の清掃員、小森こよ子さん(63)は、同居する家族に支えられ、近くの病院にたどり着いた。エックス線検査などの結果、膝の関節が変形し、動かすたびに強い痛みを感じる「変形性膝関節症」と診断された。
「仕事を続けられないのでは…」。中腰になったり、立ったりしゃがんだりする動作が多い仕事だけに、頭の中は不安でいっぱいになったという。
変形性膝関節症は中高年に多くみられる。男女比では1対2で女性が多く、高齢になるほど罹患(りかん)率が高くなる。歩行時の衝撃を和らげるクッションの役割を果たす軟骨が、加齢によって弾力性を失い、使いすぎによってすり減って関節が変形してしまう。