プーチン露大統領訪日

「露に領土問題ない」プーチン大統領、交渉長期化を示唆

 【モスクワ=黒川信雄】ロシア大統領府は13日、公式サイト上にプーチン大統領と日本テレビ、読売新聞との会見の詳細を掲載した。プーチン氏は「ロシアに領土問題はない」と発言するなど、15日からの自身の訪日を前に、北方領土交渉に対するロシア側の厳しい立場を明確に示した。

 プーチン氏は、北方領土問題以外にロシアには国境線の問題はないとの認識か-との質問に、「ロシアにはそもそもいかなる領土問題も全くないと思っている。日本がロシアとの間に領土問題があると考えているのだ」と述べ、北方領土がロシアの主権下にあるとの認識を改めて強調した。

 安倍晋三首相が示した8項目の経済協力プランについては、「(平和条約締結の)条件ではない。これは必要な雰囲気作りだ」と語り、平和条約締結には直接結びつくものではないとの考えを示した。また、中国と40年間にわたり国境問題を交渉した事例を挙げ、交渉が長期化する可能性を示唆した。

 プーチン氏は北方領土での共同経済活動について「検討する用意がある」としつつも、「重要なのは条件だ」と指摘。日本の主権の下での経済活動に否定的な見解を示した。

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