民進党の蓮舫代表が「廃案」の大号令をかけたカジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備推進法案は最終的に14日に成立する見通しとなった。民進党は衆院段階では賛否すら決められずに退席し、その後、廃案にかじを切ったが、逆に参院では自民党と協調して審議重視の姿勢を取った。国会対応が最後まで迷走したのは明らかで、蓮舫氏の指導力不足が露呈したといえる。(山本雄史)
「国民の不安の声に対し、納得できる答弁がない。あす会期末で、もう時間がないというのが一般的な常識の考え方であり、廃案に追い込んでいきたい」
蓮舫氏は13日午後の常任幹事会でこう述べ、IR法案の廃案に向けて重ねて指示した。「あらゆる手段で国民の声に向き合う対応を取る」とも語り、徹底抗戦の姿勢を強調した。
だが、その号令から約3時間後。自民、民進両党の参院幹事長と国対委員長は法案を修正して可決し、衆院に戻す「回付」で合意した。民進党議員は参院内閣委で反対討論にも立った。
榛葉賀津也参院国対委員長は記者団に「衆院は乱暴に法案を送ってきた。衆院のやり方はあまりにもひどい」と述べ、参院自民党が修正案を示したことを「参院の矜持」と評価した。蓮舫氏は参院議員であるにもかかわらず、足元では指示とは異なる参院自民党と協調した対応となった。