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今年は2001年9月11日の米中枢同時多発テロ(9・11)から15年。フジテレビ系で12月17日午後7時に放送される報道特番「報道スクープSP 激動!世紀の大事件IV」で、テロの標的となった米ニューヨークの世界貿易センタービル・ツインタワーから生還した日本人が、当時の体験をカメラの前で「初告白」したことが分かった。
証言者の一人は、板倉裕一さん(53)。ツインタワーでは当時、386人の日本人が働いており、24人が命を落としている。
板倉さんはタワー北棟にオフィスのあった横浜銀行に勤務しており(現在は退職)、緊急停止したエレベーター内に閉じ込められた。航空機が衝突したビル上層部から次第に煙が下り、周囲に不安が広がる中、板倉さんたちはエレベーターのある異変に気付き、脱出を図った。
取材した青木亮ディレクターによると、板倉さんはテロを「今も半ば信じられない」と語り、ビルのセキュリティーカードを「お守り」として今も持ち歩いていることを明かしてくれたという。
番組では板倉さんに加え、タワー内の金融機関で働いていた日本人2人にも取材。当時、各職場には緊急時の対応マニュアルがあったが、想定外の事態を現場では把握できず、外部とも連絡が取れずに混乱が広がっていた。生死を分けた裏側には、マニュアルよりも現場の状況をよく観察して、「命を守る」ために避難を優先させた責任者の冷静な判断があったという。
青木ディレクターは「15年がたったからこそ、口を開いてくれた面はあったと思う」と振り返る。