【産経抄】伊達直人とあしながさん 12月9日(1/2ページ) - 産経ニュース

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産経抄

伊達直人とあしながさん 12月9日

 先日紹介した山本孝史さんが若き日に飛び込んだ交通遺児への支援活動は、やがて「あしなが運動」へと発展する。創始者の玉井義臣(よしおみ)さんが当初、遺児たちの奨学金のために寄付を募っても、反応は皆無だった。

 ▼玉井さんは悩んだ末に、昔読んだ小説を思い出す。孤児院で育った少女が、手紙を書くことを条件に「あしながおじさん」から奨学金を受け取るようになる。米国の作家、ウェブスターの名作なら誰でも知っている。果たして「あしながさん」を募ったところ、電話が殺到した。

 ▼平成22年のクリスマス、前橋市の児童相談所前に10個のランドセルが置かれたのが始まりだった。その後、全国で同じような寄付行為が相次いだ。もし最初の人物が、「タイガーマスク」の主人公、「伊達直人」を名乗っていなかったら、社会現象になることはなかっただろう。

 ▼虎のマスクをかぶった悪役レスラー、伊達直人が、出身の施設にファイトマネーを送り続ける。かつて漫画やアニメに夢中になった世代なら、その名前に共感を覚えずにはいられない。正体を最後まで明かさなかったはずの伊達直人が、ついに姿を現した。7日、東京都内で開かれたプロレスイベントで、リングに上がったのは、前橋市在住の会社員、河村正剛(まさたけ)さん(43)だった。