主張

首相の真珠湾訪問 まず靖国参拝を再開せよ

 安倍晋三首相が26日から、米ハワイを訪問してオバマ大統領とともに戦没者を追悼する。

 折しも日米開戦から75年を迎える。静かな慰霊を通して日米友好を一層深め、国際社会の平和に貢献する決意を新たにする機会とすべきだ。

 併せて、ハワイを訪れるちょうど3年前に行った靖国神社の参拝を、首相が再開することを求めたい。

 開戦当時、国民が総力をあげて戦い、日本は米国に敗れた。それから時間をかけ、両国は成熟した関係を築いた。戦争を知らない世代にも、改めて日米が歩んだ歴史を知ってほしい。

 真珠湾攻撃は、日本時間の昭和16(1941)年12月8日未明、日本の海軍機動部隊が真珠湾に停泊中の米太平洋艦隊を奇襲し、日米戦争の火ぶたを切った。

 今も湾内に米戦艦「アリゾナ」が沈み、艦をまたぐようにして記念館が建っている。今年は現地時間8日、日米合同の追悼式典も初めて行われる。

 オバマ氏は今年、広島訪問を果たした。首相の真珠湾訪問はその返礼との見方が一部にある。だが、多数の一般市民を対象にした原爆投下と、軍事施設に対する攻撃を同列視するのは誤りだ。

 菅義偉官房長官が6日の記者会見で「戦没者の慰霊のためであって謝罪のためではない」と述べたのはもっともである。

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