大阪府が誘致を目指す2025年国際博覧会(万博)について、会場をカジノなどの統合型リゾート(IR)と一体開発して資金を捻出(ねんしゅつ)する案が、関西財界で急浮上している。民間の資金負担を軽くできる上に、万博閉幕後も国内外から人を呼び寄せられる施設は残るからだ。一方、日本で前例のないカジノには根深い不安がある。IR整備推進法案は今国会で成立する公算が大きくなっているが、万博誘致への扉を開く鍵になるかは不透明だ。(牛島要平)
ひとまず足並み揃った関西
11月9日、東京の都道府県会館に関西の官民トップが顔をそろえた。万博のテーマを「人類の健康・長寿への挑戦」とした府の基本構想案を政府に提出するのを前に、誘致委員会準備会の発足式を行うためだ。
出席したのは、大阪府の松井一郎知事、大阪市の吉村洋文市長ら自治体関係者のほか、関西経済連合会の森詳介会長(関西電力相談役)、大阪商工会議所の尾崎裕会頭(大阪ガス会長)、関西経済同友会の蔭山秀一(三井住友銀行副会長)、鈴木博之(丸一鋼管会長)の両代表幹事。
「オール大阪、オール関西はもとより、オールジャパンでこの万博を開催し、世界から注目される都市になっていきたい」。松井知事がそう決意を語ると、森会長も「大阪のベイエリアが大きく変わってくる。これは関西にとって大きなチャンス」と期待を込めた。